インドのパーソナルケア市場が急成長中|日本ブランドが今こそ参入すべき理由とは?

アジア市場の中でも今、最も急速な成長を遂げているのがインドのパーソナルケア市場です。美容意識の高まりとともに、都市部から地方都市まで消費層が広がり、グローバルブランドが続々と進出しています。この記事では、インドのBPC(ビューティー&パーソナルケア)市場の最新動向と注目セグメント、日本ブランドが勝つためのポイントについて詳しく解説します。

インドのパーソナルケア市場はなぜ注目されているのか

2024年時点でインドのBPC市場規模はおよそ280〜300億米ドルと推定されており、今後10年間で年平均5〜6%の成長を維持し、2033年には約485億ドルに達すると予測されています。

この成長の背景には、以下のような要因があります:

  • 中間層から富裕層へと移行する「マスアフルエント層」の台頭
  • ロレアルや資生堂といったグローバルブランドの参入と展開
  • EC・店舗の融合によるオムニチャネルの定着
  • 高品質・科学的根拠に基づく製品への消費意欲の高まり

今やインドは単なる「人口の多い国」ではなく、「プレミアム市場への成長性を持つ戦略市場」として、グローバル企業からの注目を集めています。


成長が著しい注目セグメント

ドクターズコスメ・機能性スキンケア

科学的根拠を重視する層が拡大しており、日本企業が得意とするセラミド、ナノカプセル、発酵成分などの技術は大きな優位性になります。

サンケア・環境対応型製品

UVカットや大気汚染・PM2.5対策に加え、汗や湿度に強い処方が評価されており、皮膚常在菌に配慮した製品にも注目が集まっています。

男性用グルーミング

若年層男性を中心に、スキンケアやヘアケアの習慣が広がり、ひげケア・頭皮ケア・皮脂対策といったアイテムの市場が急拡大しています。

クリーンビューティー × バイオサイエンス

アーユルヴェーダや自然派処方と、発酵やバイオ技術を掛け合わせた「ナチュラルサイエンス型」製品が急伸中です。ここでも日本の技術が活きる余地があります。


日本ブランドが勝つための3つの戦略

1. 科学と品質を打ち出した主力商品で勝負

“なんとなく良さそう”ではなく、成分や効果に関するエビデンスが鍵になります。特に医師監修や臨床試験データは信頼の担保として機能します。

2. インド向けの商品設計を徹底

気候(高温・多湿)、肌色(メラニン量)、使用感(サラサラ・軽やか)など、ローカライズされた処方設計が不可欠です。

3. オムニチャネルでブランド浸透を図る

NykaaなどのECとブティック店舗を組み合わせた展開が主流になっています。オンラインだけでなく、実店舗でのタッチポイント形成が重要です。


今こそ参入のタイミング

すでにグローバルブランドは本格的にインド市場を攻略し始めています。市場規模が拡大し、消費者の意識が“安さ”から“品質”へとシフトする今、日本ブランドにとっては「高付加価値×信頼性」で勝てるチャンスが広がっています。


インドのBPC市場進出をご検討の企業様へ

有限会社マーケット・リサーチ社では、インドのパーソナルケア市場における市場調査、競合分析、商品開発支援、販路開拓まで一気通貫でサポートしています。

プレミアム志向が高まる今こそ、貴社の技術・ブランド価値を活かす絶好のタイミングです。まずはお気軽にご相談ください。


この記事を書いた人

西山謝志

西山謝志

有限会社マーケット・リサーチ社 代表/インド市場調査コンサルタント
元エクソン社および伊モンテディソン社にて東南アジア地域統括を歴任後、証券会社での産業アナリスト職を経て、1997年にマーケット・リサーチ社を設立。インド市場に特化した調査・進出支援の第一人者として、20年以上にわたり100社以上の日本企業の現地進出をサポートしてきた実績を持つ。特に、自動車、エネルギー、食品、医療、機械、ITなど幅広い業種において、市場調査・販路構築・提携交渉などの実務支援を行っている。